FreeCAD 1.0で日本語文字を完全にくり抜く方法
FreeCAD 1.0で日本語の文字を「穴あき」の形状にしたいとき、ちょっとした手間が必要になります。英数字なら比較的簡単にできるけれど、TTC形式の日本語フォントがそのまま読み込めないため、工夫して作業する必要があります。ここではフォントの準備から、文字をワイヤーに変換してトレース、オフセット、押し出し、ブーリアンで完全にくり抜く手順をわかりやすくまとめます。
準備:フォントファイルの扱い
日本語フォント(特にメイリオやMSゴシックなどのTTC)は、FreeCADの標準設定だけでは読み込めないことがあります。まずはフォントファイルを扱いやすい場所へコピーしておきましょう。
フォントの場所:通常は C:\Windows\Fonts にあります。
コピー:使用するフォント(.ttf, .otf, .ttc)をデスクトップやダウンロードフォルダなど読み書きできる場所にコピーします。FreeCADはシステムフォルダから直接読み込めない場合があるため、必ず別フォルダへコピーしてください。
隠しファイルや拡張子の表示:フォルダに見当たらない場合はエクスプローラーの表示設定で隠しファイルとファイル拡張子の表示をオンにしてください。
フォントをFreeCADで指定する(重要)
Draftワークベンチの「Shape from Text(テキストを形状へ)」でフォントを指定しますが、TTCがリストに出ない場合は手入力でパスを指定する必要があります。
FreeCADのメニューから Edit → Preferences → Draft を開き、テキスト関連のデフォルトフォントを設定できます。ただし、TTCが表示されない場合はここで指定しても日本語は出ないことがあります。
テキスト作成ダイアログの TrueType(フォント)欄 に、先ほどコピーしたフォントファイルのフルパス(例:C:\Users\ユーザー名\Desktop\fonts\MSGOTHIC.TTC)を手入力してください。これで日本語が正しく表示されます。
もし日本語が出ないときは、配置原点やコーディネート系のリセットを試してみてください。
文字を形状に変換する基礎手順
ここでは文字を3D化する基本手順を説明します。まずは簡単な厚み付け(くり抜きでなく厚みだけ)を試してみましょう。
Draftワークベンチで「テキストを形状へ(Shape String)」を起動し、文字列と高さ(例:30mm)を指定します。
フォント欄にコピーしたフォントのパスを指定して日本語を表示させます。
作成したテキストはそのままでは面や立体ではないため、対象テキストを選択して Downgrade(ワイヤ化/変換) を行います。
Partワークベンチの Extrude(押し出し) を使い、押し出し方向をZにして厚み(例:3mm)を指定、Create solid にチェックして立体化します。
この状態で STL にエクスポートすれば、3Dプリントできます。
簡易的なくり抜き(厚みボタン)
単純な文字であれば、面を選んで Thickness(厚み) ツールを使うことで簡単にくり抜き風にできます。ただし形状によってはツールがうまく動作せず不具合が出ることがあります。そのような場合は次に説明する手順を使ってください。
完全にくり抜く(詳細手順)
文字を「完全に穴として切り抜く」ための確実な方法です。少し手間はかかりますが、どんな形の日本語でも再現可能です。
Draftワークベンチでテキストを作成し、フォントを手入力で指定して日本語を表示させます(高さは任意、ここでは30mmを例にします)。
作成したテキストを選択して Downgrade(ワイヤ化) します。これで文字がワイヤー(線)になります。
ワイヤーを元にして、ポリライン(Polyline)で文字の輪郭をトレース します。作業時のコツは次のとおりです:
スナップ機能(Endpoints, Midpoints, Grid)を適宜オン/オフして正確に追従する。
曲線部はスナップを切ってフリーハンドで近似し、直線部に戻ったらスナップをオンにする。
輪郭トレースが完了したら、オリジナルの文字ワイヤーは非表示にして、トレースしたワイヤーを使用します。
内側と外側の輪郭を作るために Offset(オフセット) を使用します。内側、外側それぞれにオフセットを作成して、トリム用の二重構造にします。
ワイヤーを面に変換するために Upgrade(ワイヤ→面) を使います。これで面が作成されます。
面を選択して Part の Extrude(押し出し) を実行します。外側と内側でそれぞれ厚み(例:3mm)を同じ方向に押し出して、二つのソリッドを作ります(Create solid をチェック)。
外側ソリッドを選択し、Ctrlキーを押しながら内側ソリッドを選択、そして Boolean → Cut(切り取り) を実行します。これで文字が完全にくり抜かれたソリッドが出来上がります。
作業上の注意とトラブル対処
「トップ面」と「裏面」を同時に選択して Thickness を使うと不具合が出ることがあります。バグが出た場合はトレース→オフセット→押し出し→ブーリアン方式に切り替えてください。
トレースは丁寧に行うことで後のオフセットや面作成の品質が上がります。曲線部分はポリラインの頂点数を増やして滑らかにしてください。
どうしても手間が気になる場合は、有料の3D CADソフトの方が文字処理が楽なことがあります。用途とコストを比較して選んでください。
3Dプリントへの出力
完成したソリッドは File → Export で STL に出力できます。出力した STL をスライサーに入れて3Dプリント可能です。厚みや押し出し方向、造形物の耐久性を考慮して適切な厚み(例:3mm程度)を設定してください。
まとめ
FreeCAD 1.0では日本語フォントの扱いにちょっとした工夫が必要ですが、フォントファイルをコピーして手動で指定し、ワイヤ化→トレース→オフセット→押し出し→ブーリアンの流れで確実に「完全なくり抜き」を作れます。手順は少し手間ですが、その分自由度が高く、どんな日本語フォントでも立体文字として造形できます。
最後に簡単なチェックリスト:
フォントをコピーして手入力で指定
テキストをワイヤ化(Downgrade)
丁寧にトレース(Polyline)
オフセット→面化→押し出し→ブーリアン(切り取り)
STL出力して3Dプリント
この方法で日本語の立体文字を自宅の3Dプリンターで造形できます。問題が起きた操作やもう少し簡単にしたい部分があれば、具体的な状況を書いていただければ、さらに掘り下げて解説します。お問い合わせよりご連絡を頂ければ幸いです。
